November 21, 2021

EUR/USD: パリティに近づく

2021年11月22日‐26日の暗号通貨の予想1

  • 前回のEUR/USD のレビューでは、: “インフレ上昇 = 米ドル上昇”という短い方式を立てましたが、先週のイベントで、この方式が妥当であったことがわかりました。11月16日(火)に発表された米国の小売売上高の強いデーターで、ドルは再び上昇、米ドルDXYインデックスは1年半前の値に戻り、2021年の高値更新でした。10月の小売売上高は、予想は1.4%でしたが、1.7%の増加となりました(9月の上昇率は2倍減少の0.8%でした)。小売管理グループの指標も上昇で、10月は1.6%の増加を示しました(予測0.9%、一ヵ月の成長率-0.5%)。この指標は、業界全体の小売取引量やほとんどの商品のチェーン価格指数の算出に使われることを思い出してみましょう。

    投資家は、米国の工業生産と住宅市場に関するデーターにも満足していました。この結果、EUR/USD は11月17日(水)に、1.1263 に下落しました。

    現在の状況で市場が最も関心を寄せていることは、マクロ統計が中央銀行による金融刺激策の縮小率や金利上昇にどのように影響するかであるということは明らかです。

    そのため、先週発表されたデーターは米国連邦準備制度理事会による早期の利上げを支持する新たな議論を投資家に与えました。ニューヨーク連邦準備銀行のジョン・ウィリアムズ総裁によれば、アメリカの経済は安定したペースで回復しており、米国の雇用は大幅に伸びており、失業率は急速に低下しているとのことです。セントルイス連銀のジェームス・ブラード総裁も、FRBはもっと強気にでるべきだと火に油を注いだように強調しています。QE縮小ペースを月300億ドルまで加速させれば、2022年第1四半期の利上げになるかもしれません。もう一人の"タカ派"であるアトランタ連邦準備銀行のラファエル・ボスティック総裁は、来年の半ばで利上げがあるかも知れないと述べています。カゴ連銀のチャールズ・エバンス総裁のような有名な“ハト派” ですら、“2022年の利上げは適切かも知れない”と同意しています。

    アナリストですが、バンク・オブ・アメリカでは、物価と賃金の上昇により、米国の中央銀行は2022年の夏、あるいはそれよりも早い時期にフェデラル・ファンド・レートの引き上げをすると予想しています。最も控えめな予想は、ロイターです。ロイターによれば、はじめの利上げは2022年第4四半期、その後、2023年第1四半期と第2四半期に2回の利上げがあり、最終的には、年末に1.25-1.5%になるとしています。

    経済成長を遂げている米国とは異なり、エネルギー危機とイギリスとの経済戦争が迫っているユーロ圏では、それほどバラ色ではありません。11月16日(火)に発表されたユーロ圏の第3四半期のGDP速報値では、わずかな増加も見られませんでした。まぁ、少なくても減少ではありませんでしたが。

    ECB のクリスティーヌ・ラガルド総裁は、欧州議会で、金融規制の条件が来年は整わないので2022年の利上は銀行では応じられないだろうと述べました。

    政府によれば、このような状況での金融引き締めは、利益よりも害が大きいとのことです。

    ECB総裁の発言で、週末のユーロは、ドルだけでなく、他の通貨に対しても安くなりました。イギリスが少しだけユーロを助けました。イギリスのインフレ率の記録的上昇で、GBP/USDが上昇し、それに伴ってEUR/USDも上昇しました。さらに、2つの要因がユーロに手に入りました。1つ目は、S&P500による今年になっての史上最高の66回目の更新です。2つ目は、パウエルFRB議長が辞任し、代わりにソフトな金融政策を支持しているとされるラエル・ブレイナード氏が就任する可能性があることです。

    上記の要因の影響で、多くの投資家がショートポジションで利確の判断をしました。しかし、これはユーロ通貨を少し助けただけです。1.1373に上昇、EUR/USD は下げに戻り、1.1250の安値を更新し、1.1288で取引を終えました。

    大西洋側で起きていることを軍の言葉で表すなら、まだ、実際の衝突に至っていないということです: どちらも金利引き上げはしていません。問題は、"参謀本部"の作戦と発言、つまり、中央銀行です。もちろん、経済成長率やFRBとECBの金融政策に乖離があれば、もっと下がる可能性があります。しかも、まだ、下げる余地があります。この相場は、2020年3月に1.0635、2016年12月に1.0352の水準にあり、2000年10月には0.8225のパリティラインを下回ったことがあったことを思い出してください。

    D1 のインジケーターは、下向きを指し、裏付けています。トレンドインジケーターでは、100%です。同じことが、オシレーターでも言えますが、15%は売られ過ぎゾーンです。

    専門家の35%は、調整後、短期的に上昇、50%がさらなる下落、15% が横ばい予想です。レジスタンスレベルは、1.1315、1.1360、1.1435-1.1465、1525。直近のサポートレベルは1.1250、次に1.1175、そして、1.1075-1.1100で、その後、100ポイント下落。

    今後のマクロ経済統計の発表については、11月23日(火)にドイツおよびユーロ圏の企業活動指数(マークイット)の速報値が発表されます。また、翌日には米国耐久財受注の速報値もあります。最後に、11月25日(木)には米連邦準備制度理事会(FOMC)の議事録の公表があり、政府指導者の"タカ派" がどの程度強いものなのかわかります。 

GBP/USD: ポンドの利上げ待ち

  • エネルギー価格が上昇し、供給問題が深刻化する中での上昇でした。エネルギー価格が上昇し、供給問題が深刻化する中での上昇です。しかし、変動の激しい食品やエネルギー価格を除いたコア消費者物価指数(CPI)は、3.4%(先月は2.9%)の上昇でした。多くのエコノミストによれば、消費者物価は今後数ヶ月、さらに上昇を続けると考えられています。

    今回発表された統計により、イングランド銀行が今年12月にポンドの利上げ決定をする可能性が高まりました。これにより、アメリカの30年ぶりの歴史的に高いインフレによる11月12日からの安値1.3352からGBP/USD は反転しました。

    総じて、先週のイギリスのマクロ統計は、とても明るくポンドを支持しました。

    10月の雇用者数は16万人増加したことが先週火曜日に明らかになりました。この数字は、新型コロナウィルス中の賃金補助の政策が9月に完全終了となったことを背景に、特に重要となります。多くの専門家は、支援策の終了後、雇用減少を予測していました。しかし、このようなことは起こらず、反対に労働市場は回復を続けています。第3四半期の英国の失業率は4.3%に低下しました。

    イングランド銀行のアンドリュー・ベイリー総裁は、11月4日のインフレ抑制についての発言時に予定よりも早い利上の可能性について取り除いていなかったことを思い出してください。そして、現在は、公表された指標を受け、強気筋主導で11月18日(木)には1.3513の高値まで上昇しました。しかし、その後は、もとに戻り、1.3444で5日間を終えました。

    ポンドにおける基準金利が12月に上がれば、GBP/USD は1.3800-1.3900 ゾーンまで上がることが予想されます。しかし、これが起こらなければ、ほとんどのアナリスト(75%)は、このペアのさらなる下落を予測しています。 強気筋が短期的な勝利を支持するのは、わずか25%です。

    D1のオシレーターは、80%が赤、10%が緑、10%がニュートラルグレーです。トレンドインジケーターでは、依然100% が赤です。サポートレベルは1.3400、1.3350、1.3200、弱気筋のターゲットは1.3135。レジスタンスレベルと強気筋のターゲットは、1.3475、1.3515、1.3570、1.3610、1.3735、1.3835。

    来週のマクロ統計ですが、11月23日(火)に発表されるイギリスのサービス部門購買担当者景気指数(PMI)に注目が集まります。この指数は、イギリスの調達協会とマークイット・エコノミックスが連携して発表する売上高および雇用分野における経済状況を示すものです。しかし、この国の製造業PMIほどの重要性はありません。

USD/JPY: 未だに、横ばい

  • 米連邦準備制度理事会が金融刺激策を縮小、欧州中央銀行は以前の水準で凍結、日本は、11月19日(金)に総額で55兆7,000億円(4,870億ドル)になる前例のない経済刺激策を発表しました。東京都は、この施策によって日本のGDPが5.6%増加することを期待しています。すでに述べたように、日本銀行は適切な金融政策を追求し、市場の動きとコロナウイルスのパンデミックが経済に与える影響を注意深く監視するでしょう。

    “日本銀行は、今回の措置の緊急性を明確に認識し、財政政策と金融政策の適切な組み合わせを実現するために、政府と密に調整を続けていくこと願う” と内閣は声明で述べています。

    USD/JPY は、この出来事に、どんな反応をしたのでしょう? 実は、... 反応なしです。安全な港は、どんな時も冷静であるべきなのです。

    全体的に、このペアの推移は、先週の予想通りでした。ほとんどのアナリストは、このペアは上昇して、113.40-114.40 の上値抵抗線を突破し、ここ数年来の高値を更新しようとすると予想していました。これが、まさに起こりました: このペアは、11月17日に114.96の高値をつけました。しかし、その後は、強気筋の強さは力尽き、中期的な取引レンジに戻り、中央値の114.00のレベルで取引終了の鐘が鳴りました。

    日銀の超ソフト金融政策とイールドカーブに対するコントロールの拡大を考えると、円安とペアの上昇が続く可能性は高くなります。そして、USD/JPY は、115.00-116.00の範囲だけでなく、そこで足場を固め、2017年の高値を更新するでしょう。もちろん、金利に関する米連邦準備制度理事会の決定や米国債利回りにも、動きは影響されます

    先週見せたこのペアの下方への動きの結果、D1オシレーターは完全に混沌としています: 20%は上昇、 40%は下落、40% は横ばいです。トレンドインジケーターも多様です: 60%は上向き、 40%が反対に下向きです。

    アナリストの間でも、状況は似ています。40% は、このペアの上昇、同数が、下落残りの20%はわからないというところです。レジスタンスレベルは、114.40、114.70、115.00、115.50で、強気筋の長期目標は2016年12月の最高値118.65。 直近のサポートレベルは113.40、次に112.70、112.00、111.65。

暗号通貨: ビットコインの下落と上昇はどこII

  • ビットコインは史上最高値を更新し、11月10日(水)に$68,917に達しました。イーサリアムも記録を更新しで$4,856まで上昇です。暗号通貨時価最高額は2.972兆ドルになりました。同じく、 Crypto Fear & Greed インデックスは、84まで上昇し、非常に強欲(Extreme Greed zone)のゾーンで、ビットコインが非常に買われ過ぎであり、調整の必要性が間もなくあることを示しています。

    先週のレビューでは、クラーケン取引所の専門家意見を引用しましたが、そこでは、現在のビットコインの上昇が$70,000付近の強いレジスタンスで止まれば、20%までの調整が予測されるとのことでした。 つまり、 BTC/USD は、$55,000に下落する可能性があります。

    暗号通貨アナリストのAltcoin Sherpa も同じ数字を言っています。もう一人、有名なアナリストであり専門家のウィリー・ウー氏は、信ぴょう性のあるサポートとして$50,000 から $60,000 とより幅を広げています。

    また、ウィリー・ウー氏は、急上昇や史上高値更新の準備に現在至っていないと主張しています。・ウー氏は、ビットコイン上昇を妨げる3つの要因を明らかにしています。

    第一の要因は、ビットコインの高い投機的な動きです。ウー氏は、長期目的の投資家が暗号通貨を蓄積し続ける一方で、短期的な投機目的で大量のポジションが開かれていると主張しています。

    ビットコインを抑えるもうひとつの要因は、ビットコイン先物を基にした米国初の上場投資信託(ETF)が発売されることです。ウー氏によれば、ほとんどの機関投資家がビットコイン自体の購入ではなく、ファンドや先物の購入を好んでいます。

    10月19日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で、ビットコイン先物をベースにした米国初の上場投資信託の取引が始まったことを思い出してください。その資産額は、取引開始から2日後に10億ドルを超えました。つまり、このファンドは、18年間維持されていた記録を破りました。

    3つ目の要因は、ビットコインや暗号通貨市場全体のさらなる成長を確信している投資家があまりにも楽観的な感情を持っていることです。 “ほとんどの投資家が強気になると、長期的なロングが多くなるので、価格上昇が難しくなる” とウー氏は説明しています。

    アナリストのニコラス・メンテン氏も、ビットコインの直近に向けた将来には疑いを持っています。 “今度の第4四半期や来年の第一四半期で$100,000 や $150,000 になることはないでしょう” と彼は述べています。“残念ですが、こういわなければなりません。私は、多くの専門家が間違っていると思っています。ビットコインは上昇に向かっていますが、来年の秋ごろまでは、$100,000 または $150,000 ぐらいでしょう”

    このレビューの執筆時点では、BTC/USD は$58,000付近で、$55,638で11月19日の安値をつけています。暗号市場全体の時価総額は、2兆5,900億ドルに減少しました。同時に、Crypto Fear & Greed インデックスは、50 ポイントほど下がり、恐怖(Fear)の0です。

    ニュースの背景は、中立です。より正確に言うなら、曖昧です。例えば一方では、11月14日にビットコインのタプロートネットワークが更新されましたが、これは2017年以来の大きな機能変更です。ビットコインは、より効率的に適応可能で機密性の高いものになる必要があります。その一方で、ジョー・バイデン米大統領は、インフラをアップグレードするための法案に署名しました。この文章の解釈次第では、マイナー、ウォレット開発者、DeFi-プロトコルの流動性提供者、その他のデジタル市場の参加者が税務署への報告を求められることになるかもしれません。暗号通貨コミュニティは、1万ドル以上の価値があるデジタル資産の受信者に、送信者の個人情報の確認を義務付けるインフラ計画の修正案にも懸念しています。

    守秘義務なし!

    ビットコインが再び急激に上昇するには、よほどの理由が必要です。もし、それがなければ、BTC/USD は、­$50,000 から $60,000で動けなくなる時期が長くなるなる可能性が高まり、最大15-30%の下落になります。しかし、現在のドローダウンは、驚くほど楽観的な暗号通貨愛好者を妨げるものではありません。

    つまり、SkyBridge キャピタル・インベストメント・カンパニーの創設者アンソニー・スカラムーチ氏は、ビットコインが“簡単”に $500,000になることを確信しています。彼は、ビットコインの制限のある排出量や富裕な投資家の見込み数を参考にして、このような予測をしました。彼は、モルガンによると、少なくとも4,900万ドルのミリオネアがいるが、ビットコインの供給は2,100万コインに限られていることを指摘しました。 “私たちの社会にいるすべての大富豪が少なくとも1枚のコインを持つほどビットコインはありません” スカラムーチ氏は述べています。

    彼の見解では、現在のレベルで資産に入れるには、時期早々であり、ビットコインの価格は、2024年末、あるいは、2025年の中頃には、$500,000 台になるだろうといくことです。しかし、こうなるにはArk Investの予測どおりになればであり、そうすると、ビットコインウォレットの数がこの時期までに10億になります。

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