March 28, 2021

まず、先週のイベントを振り返りましょう:

  • EUR/USD. COVID-19のパンデミックがはじまって以来、ドルは終始安定せず、投資家にとっての安全通貨になるか、または、リスク資産になるかです。例えば、2020年11月から12月にかけて株式市場が上昇する中、米国通貨は下落しました。しかし、1月以来、ドルはS&P500と一緒に上昇しています。現在、S&P500は年高値圏内: 3.795です。DXYドルインデックスもまた、年高値圏内: 92.72の相場になっています。
    USDのこのボラタリティの主な理由は、コロナウィルスの状況とそれに対する政府の反応です。また、先週、Fedは別の難問を投げかけました。公開市場委員会(FOMC)の会合で、米連邦準備制度理事会が少なくとも2023年まで金利引き上げの予定をしないことを明らかにしていることを思い出しましょう。Fedは、量的緩和(QE)のパラメーターなどを変更する予定もありません。Fedによれば、新たな1.9兆ドルのパッケージに関する法案にジョー・バイデン米国大統領が署名したことで十分に経済の刺激になるとしています。
    僅か数日後には、FRBのジェローム・パウエル議長は、米国経済のほぼ完全なる回復した時点で、毎月の1,200億ドルの資産購入を段階的に廃止すると発表しました。Fedの予測によれば、この夏に開始されるだろうとしています。
    つまり、政府や上院は、近い将来、量的緩和政策の縮小について議論をはじめることになるでしょう。しかし、現在、バイデン政権が追加に3兆ドルの新たな金融刺激策を議論していることについてはどうでしょうか?
    今回、市場はジェローム・パウエル議長に「味方」し、ドルは引き続きポジションを高くしました。多くのアナリスト(65%)が支持していた主な予測どおりに、EUR/USD は下落し、1.1825で200-日SMAのサポート を突破し、1.1760の水平線まで下落しました。これは、僅かにリバウンドし、1.1790で終了しました。;
  • GBP/USD.横ばいのチャンネル1.3775-1.4000の2週間後、ドル高が伸び、このペアを押し下げました。専門家の55%は強気でしたが、正解でした。GBP/USDは、3月25日木曜日に1.3670でローカルボトムに到達し、その後、サイドチャンネルの下値まで戻り、サポートからレジデンスになりました。 今週は1.3790付近で終わりました。;
  • USD/JPY. 大きな下方修正は起こりませんでした。僅か50 ポイントだけで、このペアには十分でした。: 108.40付近まで下落後は、向きを変え、ドルは上昇しました。強気筋の直近ターゲットは、110.00の高値で、ほぼ届きました。: 週の高値は109.85で修正されました。その後は、僅かに下落しましたが、109.67で5日間を終えました。;
  • 暗号通貨. 多くの専門家が支持していた先週の予測は、強気筋には最も楽観的になれないものでした。上げ止まって、ビットコインの上向きチャンネルの下値支持線を突破し、$50,000-60,000の横ばいの動きを想定していました。投資家にとって残念でしたが、まさに、これが起こりました。BTC/USDは、3月20日に60,000ドルの高値でしたが、3月25日木曜日に約50,290ドルでローカルボトムに着きました。ビットコインが16%下落すると、いくつかの主なアルトコインは25% の損失になります。
    数少ない上昇したコインの一つは、リップルでした。7日前の0.4652ドルで始まり、3月22日に0.5955ドルの頂点に達し、3月26日金曜日の夕方は0.5450ドルで取引されていました。
    総じて、私たちの予想どおり、暗号通貨市場の過熱が判明しました。テスラ社への支払いはビットコインでも可能であるとしたイーロン・マスク氏の言葉は、もはや、ドルへ変換されないという助けにもなりませんでした。このような情報は、少し前までは、市場を大きく押し上げたかもしれませんが、現在は、短期的に少し衝撃を与えるにすぎません。
    Skybridge Capital CEO であり、前ホワイトハウス・コミニケションディレクターであるアンソニー・スカラムチ氏によると、テスラ社は現在15億ドルのビットコインの保有をしています。テスラ社、SpaceX 、個人的なものを含めるとイーロン・マスク氏は、50億ドルのビットコインを保有しています。おそらく、これでは、もはや、十分ではなく、ビットコインが市場を引き上げるには、テスラ社あるいはマイクロストラテジー社以上の強力な機関車を必要としています。
    しかし、米連邦準備制度のような規制当局からの僅かな言葉で押し下げるには簡単です。米国連邦準備制度の責任者であるジェローム・パウエル氏は、貯蓄と支払のためのツールとしてのビットコインに対し当初、苦言を呈していました。国際決済銀行のバーチャルサミットでのスピーチでは、彼はデジタル資産のボラティリティの高さを指摘しました。つまり、彼の意見では、デジタル資産は貯蓄としては役立たずなのです。 “ビットコインは、裏付けもなく投機的に使用されているため、支払手段としても特に人気がありません。暗号資産はドルよりも、むしろ金の代替えとなる可能性が高いです。” パウエル氏は述べています。
    BTC/USD の下落は、“デジタルゴールド“などのリスク資産とより相関するS&P500の下落に大きく影響をうけたようです。トレーダーはこの数日間で約24万のポジションを決済し、暗号市場の時価総額は、1兆8050億ドルから1兆6800億ドルに減少しました。Crypto Fear & Greed Indexは、今週、71から中央ゾーンに移動し、54で横ばいです。しかし、これは、嵐の前の静けさなのかも知れません。

 

今週の見通しに関しては、多くの専門家の意見の要約及び様々なテクニカルな方法とグラフ分析に基づき次のように言えるでしょう:

  • EUR/USD. 米国通貨サイドには、大きく3つの要因があります。一つ目は、既に目標とした接種率だけでなく、ジョー・バイデン大統領が掲げたホワイトハウス就任100日以内に2億人のアメリカ住民がワクチンの接種に成功したことです。二つ目は、外国人投資家に米国債の人気が高まっていることです。三つ目は、ほかの国々の経済を押し上げることができる米国経済の強さです。
    ヨーロッパには、これらの要因の一つもありません。ECBのルイス・デ・ギンドス副総裁は、ユーロ圏のワクチン接種がこの夏までに急増した場合、ヨーロッパ経済の第3四半期と第4四半期は急激に伸びると述べています。しかし、 これは、ただの言葉に過ぎません。
    現時点では、専門家の70%はドル高が続き、EUR / USDは1.1640-1.1700圏内に下落すると予想しています。最終的な目標は、2020年9月から11月の最安値である1.1600前後です。この予測は、H4のトレンドインジケーターの85%とD1の100%、また、D1のオシレーターの75%に支持されています。残りの25%は、このペアが売られ過ぎであることを示しています。
    グラフ分析では、ユーロは両方のタイムフレームで今後数日中に1.1880に上昇する可能性があり、ペアはその後、すぐに下がるとしているので注意してください。
    週間から月次予想に代わると、既に60%の専門家がEUR/USD の上昇を支持しているので注目しましょう。ターゲットは、1.2000 と1.2200です。
    来週の指標に関しては、3月30日にドイツ、3月31日にユーロ圏の消費者市場のデーターの発表があり、3月31日水曜日に米国の労働市場に関するデーター(ADPレポート)、4月2日金曜日は(NFP)があります。3月31日のジョー・バイデン米国大統領のスピーチも注目です。市場は、彼の政権が国の経済回復スピードを上げるステップに関するシグナルを待っています。;

FXと暗号(仮想)通貨の見通し 2021年3月29日-4月2日1

  • GBP/USD. 3月最終日の水曜日に、2020年第4四半期のイギリスのGDP のデーターの発表があります。予想では、インジケーターは、前回と同じ1%レベルとしています。これでは、投資家を楽観させることにはなりませんが、混乱させることもありません。つまり、50% が横ばい、40%がドル高、僅か10%がイギリスポンド高を支持しています。
    テクニカル分析では、次のようになります。H4: 50% のオシレーターは、上昇、50%は下落。トレンドインジケーターも同様です。D1は、赤に支配されています。 65%のオシレーターと 70% のインジケーターは赤です。
    直近のサポートレベルは、1.3760、1.3700、1.3670, レジデンスレベルは、1.3820、1.3900、1.3960です。 目標は、それぞれ1.4000 と1.3600です。;
  • USD/JPY. ペアは先週109.85で9ヶ月の最高値に達し、過去3ヶ月間でほぼ730ポイントのすばらしい上昇を示しています。伝統的な安全通貨であった円に現在、投資家からの興味が薄らいでいることを示唆しています。
    短観指数が市場感情に大きく影響することはなさそうです。日本銀行が発表するこの指数は、大手製造業の一般的な経営状況を反映しています。短観は、輸出志向型産業に大きく依存している日本の経済指標です。0以上のインデックス値は、円に対してプラス、0以下はマイナス要因になります。しかし、予測によれば、4月1日発表されるインデックス値は0以上でも、以下でもなく、0でしょう。これは、中立ということです。ただし、前四半期でマイナス10であった日本通貨をある程度サポートする可能性があります。しかし、USD/JPY を下落に向けた小さな修正の可能性が高いでしょう。
    全体としては、ほとんどのアナリスト (60%) は強気のままで、110.00の水平線以上に強固されることを予測しています。ターゲットは、111.70と112.20です。トレンドインジケーターの100%とオシレーターの75%は、このシナリオを支持しています。 残りの25% は、このペアの買われ過ぎを示しています。
    グラフ分析を支持する専門家の残りの40%は、下落への修正を長いこと待っています。同時に、月次や四半期予測になると、75%に増加します。このペアが下落する場合のサポートレベルは、109.00、108.60、108.40、 106.65になります。ターゲットは、106.00圏内です;
  • 暗号通貨. 植物だけが春に育つだけでなく、ビットコインにも当てはまるようです。つまり、BTC/USDは過去3年間に4月に平均 40% 上昇しています。すなわち、今回だと4月末までに70,000〜75,000ドルの範囲になるはずでしょう。4月30日に切れるコールオプションも同様の期待を示しています。これらは、合計240,000,000になり、デリバリー取引所で現在$80,000の価格です。ビットコインの新しい上昇サークルを見越して、コールドウォレットへの引出が継続されています。I
    1.9兆ドルになる米国の支援策については、幾度となく取り上げていますが、みずほ証券の調査によると米国市民は暗号通貨の購入に200〜250億ドルを費やすことができます。このコロナウィルス対策に続いて、3兆ドルの支援策の可能性もあります。採用されれば、暗号通貨のベネフィットをもたらすでしょう。
    しかし、これら全ては先のことです。一方で、アナリストの60% は、1,2週間後に50,000ドルのピボットポイントに沿って、BTC/USD は46,500〜56,000ドルの範囲になるとしています。
    長期的な予測になると、BTCC cryptocurrency exchange の設立者であり、前CEO であるボビー・リー氏によると、ビットコインは$300,000に上昇した後、長期的には下落します。“ビットコインの強気相場サイクルは4年ごとで、現在のサイクルは大きなものです。この夏、ビットコインは$ 100,000に上昇する可能性があると思います” と彼は述べています。しかし、史上高値の$300,000に達した後は、僅かな下落であってもバブルは崩壊するでしょう。リー氏は、新しい暗号通貨の冬が2、3年は続き、"投資家は、ビットコインが史上高値から80-90%下落することに準備するべき"と提言しています。
    レビューの締めくくりは、私たちの"暗号通貨ライフハック"で"ミラクルデバイス"をお伝えします。WiseMiningは、ビットコインをマイニングすることで水を温めるSato ASIC miner ボイラーを発表しました。ボイラーの中間冷却材は特殊な誘電性冷却材です。 液体はASIC冷却ユニットで沸騰蒸発し、蒸気はタンクコイルに上昇して結露になり、水に熱を放出します。結露は、マイナーの冷却ユニットに逆流します。開発者は、この給油機を部屋の主な暖房システムに接続する可能性を打ち出しました。Satoの販売は、この4月の上旬になるでしょう。
    犯罪の世界からの"ライフハック"です。分析会社Ellipticの新しい研究によると、最大の闇市場であるHydraには、暗号通貨を法定通貨にする新しい方法があります。お金を真空パックにし、"5-20 cmの地下"に埋め、正確なGPSの座標を購入者に伝えます。これと同じ方法が、麻薬などの違法薬物の販売に長い間使用されてきました。しかし、泥棒が客を追跡して、"小包"を盗んでしまうため、とてもリスクが高いです。この場合の結末は 予想不可です。

 

NordFX Analytical Group

 

注意: これらの資料は、金融市場での投資推奨でもガイドラインでもなく、情報提供のみを目的としています。金融市場での取引は、リスクがあり、結果として入金した資金を全て失うことがあります。


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