July 17, 2021

まず、先週のイベントを振り返りましょう:

  • EUR/USD. マクロ経済データーは、先週に続き、米国経済と労働市場の回復を示しています。7月13日火曜日に発表されたインフレ率は予想をはるかに上回っていました。6月に0.9%まで上昇した消費者物価指数は年ベースで5.4%になり、2008年以来の最も高い上昇率になります。エネルギーや食料価格を除いたコア指数は、対前年比4.5%で1991年以来の記録的な上昇です。
    7月4日から10日までの新規失業保険給付申請件数は、26,000件減の360,000件でした。これは、コロナウイルスのパンデミックが最初に経済に打撃を与えた3月20日以来最低になります。今月初め、米国労働省は、国内の雇用件数が過去1か月で85万人増加したことを示すデータを発表しました(5月は58万3000人増)。
    米国輸入物価指数は6月に1% 上昇、6月の石油を除く輸入価格は0.7%上昇です。 今月のニューヨーク連銀製造業景気指数もまた、予想を上回り17.4から43.0に上昇です。7月15日に発表された連邦準備制度理事会のデーターによれば、全体としての米国工業生産もまた5月に対し6月は0.4% 増しで米国経済回復のペースが順調であることを示しています。
     “コロナ前” の理論では、このデーターは強いドル高になったことでしょう。しかし、過去4週間では僅か50ポイントの上昇です。そして、このペアはこの2週間、弱気筋の非常に僅かな優勢で総体的には横ばいです
    : 7月5日から9日までは1.1780-1.1895圏内で、7月12日から16日までは1.1770-1.1880圏内での取引でした。
    これらの数値は、専門家による妥協シナリオと完全に一致でした。グラフ分析予測では、ほぼ一致です。H4では1.1780-1.1900圏内の横ばい傾向を示していたことを思い出しましょう。
    では、なぜ、ドルは上昇しないのでしょうか? その理由は、依然として米連邦準備制度理事会を悩ませている躊躇と疑念にあります。ジェローム・パウエル議長は7月14日の米国議会の金融サービス委員会で、金融緩和の引き締めや量的緩和政策の枠組み内の資産購入の削減には焦らないと述べていました。議長は、翌日の上院銀行委員会でも同様なことを繰り返しました。
    パウエル議長はインフレが予想よりも急速に上昇し、許容限度を超えた場合には金融政策を予定より早く引き締める必要があることを認めました。しかし、今のところ、経済は設定目標から“依然遠い”ようです。多くのほかの要因と同じく、インフレの上昇は一時的なものである可能性があります。しかし、これらが消えれば、ほかのものに置き換えれる可能性があります。現在は、コロナの新種株の流行でコモディティ通貨に対してドルが支持されていますが、将来的には市場がどのようになるかはわかりません。財政刺激策の早期削減がどのように影響するかもまた同様に明らかではありません。
    その結果、議員たちのこの懸念について、パウエル議長は連邦準備制度理事会が注意深くこの状況を確実に監視し、変化に対して迅速に対応すると納得させました。しかし、中央銀行総裁は、投資家感情に影響を与えることができなかった(あるいは、望まなかった)結果、EUR/USD は取引幅が狭く、1.1805で5日間を終えました;
  • GBP/USD. このペアは、この1週間で1.3900のレジデンスを上回り足場を固めることができませんでした。EUR/USDでは、弱気筋は米国からの前向きな経済統計に助けられ僅かに有利でした。イギリスは、これに喜べませんでした。また、今月の失業保険申請件数は、151,400から114,800に24%減少しましたが、失業率は同じで4.8%(予測の4.7%減の代わりに)のレベルにとどまりました。投資家も、一日あたり50,000人以上の新規感染のため、コロナウィルスの新たな流行について心配させられています。その結果、強気筋が週を通して1.3800-1.3900圏内を維持していたにも関わらず、7月16日に下値支持線を突破し、このペアは1.3760で終了しました;
  • USD/JPY. 先週は、投資家感情と同じく指標も理解することができませんでした。専門家の意見は、ほぼ同数でした。: 強気筋は30%、弱気筋は40%、不明が 40%でした。 一致しない指標の読み取り値は、一般的な基準にも持ち込むことができませんでした。そして、この5日間が示している通り、もっとも的確な見通しにはこの予想が欠けていました: USD/JPYは、実質的に完璧な正弦曲線を描いていました。
    予想通り、7月16日は日本銀行から驚くような発表はなく、誰もが何の動きがないことに驚かず、投資家にとって超安全通貨であるというこの国の評判について再確認させられました。黒田東彦総裁は、記者会見においても興味をそそる言葉を一言も発しませんでした。投資家は彼なしでも日本経済は依然、困難な状況であるとよく知っていましたが、ワクチン接種率が上がるにつれて事業のレベルも上がるでしょう。
    ドルと円の力関係は、日米のマクロ経済指標の不一致による影響を受けませんでした。 その結果、ペアはほぼ週はじめと同じ110.05で終了しました;
  • 暗号通貨. ビットコインは、6月の終わりから7月の始めにかけて$36,000 レジデンスの突破を期待されていました。しかし、強気筋の勢力は、どれも成功には至りませんでした。今では、弱気筋が主導で、先週は反対の図式を見ることになりました。: BTC/USDを心理的に重要なレベルの$30,000以下にしたいという願望で、その後は大きな売りの波が生じる可能性があります。
    CryptoCompareによると、コインベース、Kraken、バイナンス、ビットスタンプなどの主な暗号通貨取引所での6月の取引量は40%以上減少しました。取引量の下落は、価格の下落とボラティリティの低さでした。しかも、それだけではありません。コロナウイルスの状況とそれに伴う規制当局の措置を理解しようとする大規模な投資家がいないことにも影響を及ぼしています。
    この執筆時点の現在、ビットコインは$31,000-32,000圏内です。そしてGalaxy Digital crypto bank の創設者であるマイク・ノボグラッツ氏によれば、これはアメリカが原因です。米国暗号通貨コミュニティはアジアで始まった弱気市場で防衛体制だとCNBCでコメントしています。 “アジアではビットコインを売り、米国では買い戻しています。中国は冷たい戦争の一環として私たちが入りこんでいる以上に暗号通貨産業に関する宣戦布告しています"
    正直なところ、暗号通貨産業が世界をリードするほどの経済政策の主要な要素にまで成長したことが良いことなのか、悪いことなのか、まだ、わかりません。時間が教えてくれるでしょう。もちろん、マイク・ノボグラッツ氏は、中国からのマイナーの移動は“大きなプラス”であると考えられ、北京の抑圧的な政策によって、この産業の発展を妨げることはないだろうと述べています。 しかし、チャートで判断すると、これまでのところ、中国側が有利です。多くの投資家やトレーダーは、相場のさらなる下落を恐れ市場から逃げることを選んでいます。一日あたりの平均取引量は、価格が$60,000以上のピーク時に比べると、現在は76%を下回っています。暗号市場の時価総額は、7日間で1.370兆ドルから1.275兆ドルに1,000億ドル近く減少しました。そして、Crypto Fear & Greed Index は現在、数週間に続いて非常に恐怖から抜け出せず、20から22ポイントに動きでした (一ヵ月前の市場感情はより楽観的でインデックスの平均値が33ポイントだったことを思い出しましょう)。

 

多くの専門家の意見やテクニカルとグラフ分析を要約した今週の見通しに関しては、次のことが言えるでしょう:

  • EUR/USD. 私たちはレビューの冒頭で、連邦準備制度理事会で広がっている懸念をお話しました。このような状況での専門家の意見が一致することは稀です。つまり、 彼らの75% はドル高でEUR/USDは下がり、それに応じてユーロ上昇は0% の支持でした。おそらく、"確信が持てなければ、ドル買い"という原則が機能したのでしょう。。
    ロイターの41人中39人の専門家によると、FRBは2022年末までに毎月の資産購入プログラムを1,200億ドル削減するとのことです。このうち3人は、すぐに今年度内にでも行われるとしています。2023年度ではなく、2022年度内の金利上昇を予想する人々も増えています。したがって、量的緩和政策の終了の一致した予想は来年度であり、ドル高を支持しています。コロナウィルスの新規流行もアメリカ通貨を刺激しており、ドルが準備通貨として非常に重要とされたのがパンデミックの時期であったことを思い出しましょう。
    夏の終わりまでの予想になると、ドル安ユーロ高を支持する数は0% から 50%に専門家の間でも増えることに注目しましょう。
    H4のグラフ分析は、1.1780-1.1900圏内で横ばい傾向を示しています。H4のトレンドインジケーターとオシレーターの間には赤、緑、ニュートラルグレーが混在していますが、D1では状況が異なります: トレンドインジケーター100%とオシレーターの85% は下向きです。
    強気筋の最も近い目標は1.1880-1.1900、そして1.1975-1.2000、 1.2050 と 1.2150です。夏の終わりまでのチャレンジは、5月25日の高値1.2265の更新です。弱気筋のタスクは、3月の安値1.1700へのチャレンジです。この目標までの最も近いサポートは、1.1780です。
    来週の経済カレンダーでは、7月22日木曜日にあるECBの金利決定に注目です。金利は、据え置きで0%の可能性が高いでしょう。したがって、引き続いて行われる銀行運営陣側の記者会見と金融政策のコメントは非常に興味深いものでしょう。ロイター通信によれば、ECBは木曜日の会合で新しいインフレ目標が将来に向けて何を意味するかを決定する必要があります。当局が2%までのインフレ率の引き上げを真剣になれば(前回の目標と比較すると- 近いですが2%以下です)、資産の莫大な購入は続く可能性があります。しかし、"タカ派" は刺激の削減を主張しています。そのため、投資家はクリスティーヌ・ラガルド総裁が確かな譲歩を達成できるかどうかに興味を持つことになるでしょう。
    ドイツとユーロ圏内の Markit PMI値は、 7月23日にあるECB会合の翌日の発表で、これにより、ヨーロッパ経済回復の印象を得ることになるでしょう;
  • GBP/USD. 専門家は、ユーロの将来性よりも英国通貨の将来性を少し楽観視しています。つまり、専門家の25% は、近くGBP/USD の上昇を支持しています(反対にEUR/USD では0%)。同じく1か月半間隔でも高くなります: 65%は強気支持者です(ユーロは50%)。
    テクニカル分析に関しては、ペアの上昇の可能性にほんのわずかなヒントがあります。H4では100%のトレンドインジケーター と75%のオシレーターは、赤 (残りの25% は買われ過ぎソーンです)。D1では、85%のトレンドインジケーターと75%のオシレーターは、下向きです。
    サポートレベルは1.3740、1.3700、1.3670、1.3600で、レジデンスレベルは1.3800、1.3840、 1.3900です。強気筋のさらなる目標は、中期的チャンネル1.3700-1.4000の上値抵抗線の突破です;
  • USD/JPY. 前の2つのペアと同様に、このケースも多くの専門家(70%)がドル高と111.00水準を超える足場固めの新しいチャレンジを予測しています。このような予測はD1 のテクニカル分析の表示とある矛盾が表れます。ここでは、 65%のオシレーター とトレンドインジケーターは赤です。
    グラフ分析に関しては、H4では109.70-110.40の幅で動き、その後、109.30のサポートへ下落が描かれています。動き幅は、D1ではやや大きくなります: まず、108.65-109.30へ下落、その後、111.00のレジデンスまで上昇し、さらに、7月2日の高値111.65まで上昇です;
  • 暗号通貨. このレビューの前述で前回のデジタル市場の重要な予想を提供しました。そして、バラ色には、まったく見えません。 "暗号通貨の冬"について話すのは時期早々かも知れませんが、現在の状況を"暗号通貨の凍結"として呼ぶにはふさわしいかも知れません。BTC/USDチャートは、$31,000あたりで下向きのレジデンスと水平線で三角形を作り続けています。65% の専門家は来週中に突破すると見ています。そうは言っても、一部の専門家は強気派が前線を維持できなければ、年末までの$10,000圏内 になる可能性は多くなります。
    しかし、いつも通り、反対意見もあります。そうですね、例えば、アナリストのウィル・クレメンテ氏は、既にビットコインが大きな価格変動の準備ができていると考えています。彼は、ツイッター(登録者136,000人)にインジケーター付きのチャートを公開し、ビットコインが小幅からもうじき脱する可能性について明らかにしています。今後のビットコインのレートに関しては、クレメンテ氏は楽天的なことを記述しています。彼によれば、現在の市場は、貯蓄段階であり、大手は暗号通貨の購入を続けています。"クジラ" の保有数は先週だけで65,429 BTC まで増加しました。クレメンテ氏によれば、大手ほど長期的な目的のために資産購入をよく行うので、将来的にはビットコインの供給不足になるかもしれません。
    彼はまた、暗号通貨利用者の増加を強調しました。人数は、ピーク時に比べ通常は減るにも関わらずです。しかし、人数は落ち込まず、今後のビットコイン上昇を支持する余地でもあります。
    別の専門家、ブルームバーグのアナリストのマイク・マッグローン氏も、クレメンテ氏の意見に同意です。彼によれば、ビットコインは$100,000の急騰に向けてのレベルに達しています。"ビットコインは今年の下半期の上昇トレンドに戻る状態で、原油は下落トレンドに再度向かう状態にある"とマッグローン氏はツィーターに投稿しました。 彼は、今回は暗号通貨の上昇が"重大なマクロ経済の結果"になると確信しています。ただし、マッグローン氏がデジタル資産の急騰を予期したのはこれが初めてではありません。例えば、2月の始めにビットコインのボラティリティがその価格と金との間で"数百倍"のギャップに膨らむ可能性があると公表しています。
    まだ、誰もどちらの予測が正解かわかりません。しかし、購入のために1ダイムを使わず、暗号通貨で稼ぐ方法が2、3あります。しかし、これらの方法は、どちらも"汚い"仕事として分類されています。そして、ここからは、お馴染みの記事である暗号通貨-ライフハックです。
    まず、イギリスのITエンジニアのジェームズ・ハウェル氏のゴミの分別を手伝うことができます。事実、この素晴らしい人物は、8年前に7,500 BTCが入ったハードドライブを別のデバイスと勘違いしてゴミの中に捨ててしまいました。そして、彼は、ゴミ捨て場から自分の持ち物を探すための許可を地元の担当課に申し出ましたが、拒否されました。そこで、次に、ハウエルズ氏は、複数のコンベヤーベルト、X線スキャナー、人工知能を備えたスーパーシステムを使用して新しく見つけ出す計画を考えました。しかし、この計画の導入には多額の費用がかかります。誰かがすぐにでもシャベルを持ったシンプルな方法でディスクを見つける手伝いをしてくれたら、見つけた財産を必ずや彼は分けてくれるでしょう。今日の彼のビットコインは、2億3000万ドル以上の価値があり、“たった”30万から40万トンの廃棄物から見つけけだす必要があります。
    別の“汚れ”から稼ぐ方法は、ロイターによって語られました。ロイター通信によると、蔚山(ウルサン)科学技術大学(韓国)の学生はトイレに行く毎にお金を稼いでいます... 。 行くたびに、デジタル通貨Ggoolが支払われます。
    この大学の教授の1人が、学生の汚物を使用してバイオガスを生成するプラントを開発しました。科学者の計算によれば、一人一日あたりの約500グラムの排便で50リットルのメタンに変えることができます。このガスの量で0.5 kW の電気を生み出すことができ、これは、1.2kmの距離の自動車走行費用相当です。
    科学的構想で生徒は1日あたり10 Ggooまでもらえます。コインは、大学の売店で使用できます。そして、学生の助けにより生成されたエネルギーは、校内にある多くのデバイスに電力を供給しています。

FXと暗号(仮想)通貨の見通し 2021年7月19日 – 23日1

 

NordFX Analytical Group

 

注意: これらの資料は、金融市場での投資推奨でもガイドラインでもなく、情報提供のみを目的としています。金融市場での取引は、リスクがあるため入金した資金を全て失う可能性もあります。


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