December 1, 2022

サンタクロースとは、一体、誰なのでしょうか?毎年、良い子にしていた子どもたちにプレゼントを渡しに煙突からやってくる白い髭の小太りのおじいさんであることは誰もが知っています。しかし、そのプレゼントは素直な子どもたちだけでなく、この1年の実績にかかわらず、トレーダーや投資家にもやってきます。

毎年、12月は、ウォールストリートや世界の取引所でサンタクロースラリーについての話題が上がり始めます: 市場関係者にとって、一攫千金とまではいかなくても、財務状況をかなり改善できるチャンスのある日です。つまり、サンタクロースラリー: 本当に、経済的な現象なのでしょうか、それとも、ただの大人向けのおとぎ話なのでしょうか

市場関係者の不安と期待

株式市場  の状況は人間の心理で左右される季節的要因が大きいものです。例えば、夏の株式市場関係者の動きは静まり、取引所は休暇ムードに満たされます。そして、暗い雲と共に秋が訪れ、 “10月の呪い”という不安が株式市場に忍び寄ります。この月は、歴史に残るようないくつかの大暴落が ありました。そのため、こういう日には足を洗った方がいいという考え方もあります。しかし、秋も深まり、株式トレーダーのムードは、徐々にサンタクロースラリーに向かって取引の動きは活発にもなります。

この季節的な現象は、1972年に有名なアナリスト、トレーダー、投資家でもあるエール・ハーシュによって、はじめて説明されました。これは、自身が設立したストック・トレーダーズ・アルマナック誌で掲載されました。サンタクロースラリーにだけでなく、エール・ハーシュは、大統領選挙サイクル、1月のバロメーター、6ヵ月継続したベストな状態などの“予測可能” な市場現象についても挙げています

サンタクロースラリーと株式とFXトレーダに与える脅威について1

いつ、どのように、なぜ、サンタクロースラリーは始まるのでしょう

エール・ハーシュは、12月末の数日に、株式指数が大きく上昇を始めたことに気がつきました。サンタクロースラリーは、通常、月末の最終月曜日に始まり、取引日7日間続くことになります。初日が肝心で、その日の相場がどのように展開し、どの程度の勢いになるかを予想します。予想が正しければ、トレーダーには大きく利益を上げるチャンスがあります。

この現象の始まり方については、エール・ハーシュが提唱したものが最も有力な説です。機関投資家の市場参加によるラリーであると説明しています。投資ファンドマネージャーは、より魅力的な年間報告書を発表するために、優良株や市場注目株を買い増していきます。クリスマスの日は薄商いで、市場関係者の多くが既にクリスマス休暇のために、低コストで数パーセント価格を押し上げることができます。このように業績を上げることで、高額なボーナスが見込まれることも気にしておくべきでしょう。その後、年末を過ぎると、従来通り、1月補正のために株式は手放されていきます。

サンタクロースラリーのもう一つの説は、年末に個人投資家の動きが増えることです。給与支給日の13日、もしくは、14日に、多くの個人投資家が株式購入をします。これも、また、株式相場に影響を与えます。

NordFX では、通常、サンタクロースラリーに含まれる企業を網羅しているCFD-トレードインデックスと株式 をお客様に提供しています。この20年間は、年越し前の動向に関する市場予想の多くが一致していました。しかし、コロナウィルスの大流行や米連邦準備制度理事会やほかの中央銀行も既に各国で統計の調整をしており、今後も、また、調整があるかも知れません。したがって、このラリーの参加者はお祭りムードが台無しにならないように、リスクは必ず認識しておく必要があります。

FXについては、どうでしょうか?

しかし、FX市場では、株式市場と状況が異なり、サンタクロースがラリーを始める可能性は極めて低くなります。また、サンタクロースは、上だけでなく、下にもそりを向ける可能性があります。溶けた流動性の薄い氷を滑ることで、落ちて、底に沈んでしまうかも知れません。

一般的に、12月25日のクリスマスをお祝いする米国などの国々のカトリックのクリスマスイブの日の取引所は静かです。ほとんどの関係者は、利益を出して、イブの前に休暇を取ります。市場は寝静まります。しかし、通常は薄商いのため、予想外に変動が大きくなりやすくなります。そして、ご存じのとおり、ボラティリティ市場 は、大きな利益だけでなく、大きな損失をもたらします。

つまり、こういう日のFXは眠っているため、取引しても意味がないか、もしくは、予想外のことで危険な取引になるかです。また、薄商いの為、ブローカーはスプレッドを大きくすることを余儀なくされます。これらの3つの理由から、多くの専門家は12月25日前にすべての取引注文の決済をして、市場が休暇から開く1月4日まで新たな注文を出さないことを推奨しています。 数日間はリラックスして、英気を養い、いいムードで新年を迎えることがいいでしょう。


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